欧州特許の有効化

欧州における知的財産権保護の法的枠組みは、国内法・国際法・EU法の三種類の法規定に基づくものです。

知的財産権を取得するには、欧州各国の国内特許法に基づく手続きと、欧州特許条約(EPC)の規定に基づく手続きの両方があります。したがって、出願手続き自体は、各国の国内特許庁それぞれの出願手続きの形でも、欧州特許条約に基づいた、欧州特許庁による一元的な出願手続きの形でも可能です。

欧州特許庁の付与した特許は、現時点ではまだ「各国の国内特許の束」であり、欧州全域の一元的な裁判機関の下で法的拘束力を持つ「欧州統一特許」ではありません。しかし、数年先には、その様な「欧州統一特許」の形で知的財産権を取得することが可能になる見込みがあります。

1973年に発効した欧州特許条約に基づいて、今や35ヶ国以上の締約国において法的効力を有する特許が発行されています。ただし、法的効力を持つには、各締約国において、有効化手続きあるいはまた異なる国内手続きが必要です。

欧州特許条約は、1968年まで北欧理事会でスウェーデン・ノルウェー・デンマーク・フィンランドによって討論されていた「北欧特許」がインスピレーションとなっています。50年弱前のその討論の結果として、北欧各国の現在の特許法を見れば分かる様に、北欧の特許法が広く調和させられました。

北欧各国の国内特許庁は現在も広く協力しており、北欧諸国は、有効化費用を減らす目的のロンドン協定の締約国または締約予定国です。

スウェーデン・デンマーク・ノルウェー・フィンランド四国では、翻訳料なく、お手頃な手数料のみで、国際特許出願の国内段階移行が可能です。

欧州及び北欧における知的財産保護は、

欧州連合の指令や規則の影響も強く、これらは各EU加盟国の国内法のみならず、欧州特許庁が欧州連合機関ではなく国際機関であるにも関わらず、欧州特許条約にも組み入れられています。

更に、世界貿易機関(WTO)の「知的所有権の貿易関連の側面に関する協定」(略称TRIPs協定)や、特許法条約、欧州特許の有効化費用を減らす目的のロンドン協定など、様々な国際協定も、知的財産保護に関する欧州各国の法律の形成に影響を与えています。